短編とか
□とあるサポート科の開発記録
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雄英高校にはクラスの他に科が分れている。
花形の「ヒーロー科」、支援特化の「サポート科」、就職に強い「経営科」、実力は申し分無しの「普通科」。
「それじゃあ、入学式終わったら合流な!」
「一緒にご飯いこーね!!」
「あぁ、分かった。」
ヒーロー科に無事入学した二人を見送り、私のクラスへ向かう。
もちろん、私の科はサポート科だ。
試験は筆記の他に個性や発明品を見せる面接などがあったが、全く問題なく突破することができた。
教室に入ると既に何人か固まって話をしていたため、私も入学式まで彼女らに加わり時間をつぶした。
「以上。新入生退場。」
有りがたいまたは有りがたくない人たちからのお話を聞き、入学式は終了した。
だが、ヒーロー科Aクラスの席は『空席』のままだった。
入学式の後、書類や記念品などが配られ、説明が終わった後も、二人からの連絡はなかった。
何かあったのだろうか?
今日は授業もなくそのまま解散となったため、私は担任を呼び止めた。
「先生。」
「どうした?ミヨジ?」
「ヒーロー科Aクラスの友人がいるのですが、彼らは今どこにいるのでしょうか?」
Aクラスか、と呟いた先生は何かを思い出したのか、相澤か…と呟いた。
「先生?」
「あー、まぁ。裏の大グラウンドにいるだろう。いってみたらどうだ?」
「はぁ、分かりました。」
疑問は残りつつも先生にお礼を言って、グラウンドへ向かうため廊下を早足で進む。
窓から見えるグラウンドにはやはりAクラスがいるようだが、如何せんグラウンドも雄英サイズの為、どこに二人がいるか分らん。
急いで校庭に降り、Aクラスと思わしき集団へ向かう。
「あの二人はどこにい」
その瞬間、空気が振動した。
「一体誰が…!!」
風が起きた方向を確認すると、一人の男子生徒が現れた。
さっきの振動を出したとは思えないほど平凡な少年。
私の『特技』が反応していたはずの彼はあの瞬間だけ『違うもの』になっていた。
「へぇ…ヒーロー科ってすごいな。」
そう感嘆していると、男子生徒を見ていた先生がこちらを振り向いた。
実際は、先生の後ろにいたAクラスの方を向いたのだが。
一瞬、目が合ったような、そんな気がした。
ドキリとしたのは『特技』か、それとも。
「鋭児郎!三奈!」
「うお、何だ!?ナナシ!!」
「ナナシちゃん、やほー。」
「君たちのクラスは素晴らしいな!」