短編とか
□とある船員の創作記録
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1.『好きならば大人も子供も関係ない』
ハートの海賊団。
キャプテンは『死の外科医』といわれるトラファルガー・ロー。
その海賊の船員たちはお揃いのつなぎを着て、偉大なる航路を進んでいる。
そんなハートの海賊団の中に最年少で能力者の船員がいた。
「ボスー!ボスー!」
「キャプテンって呼べって言ってるだろ、ナナシ。」
「アイアイ、キャプテーン!」
彼女、ナナシはまだ幼いながらハートの海賊団の船員であり『コネコネの実』の能力者でもある。
『コネコネの実』とは、簡単に言うと触れたものを粘土のように柔らかくし、そして好きな形に変えることができるものである。
そして彼女はいつも能力の向上の名目の元、何か創作活動をしている。
「また変なものでも作ったのか?」
「変なものって、酷いよキャプテン!今回は真面目に作ったんだから!」
「自分だって変って自覚してるじゃねぇか。」
「ふふん!今回はキャプテンだって驚いちゃうんだから!」
そういうとナナシは後ろに回していた手をローの前に突き出した。
その手の上には小さな熊の人形。
「じゃーん!!手のひらサイズのベポ人形ってね!」
「おぉぉぉおお!!」
ベポそっくりに作られた小さな人形はキリッと構えているが、とても可愛らしい。
そしてベポを溺愛している二人にとってはこの人形はかなり素晴らしいものである。
ので、ローは普段見せないようなテンションまであがっている。
「すごいっしょ、すごいっしょ!」
「凄いぞ、ナナシ!天才だ!」
「やったー!キャプテンに褒められたー!」
ローに人形を渡し、大喜びするナナシ。
ベポ人形を手にし、大喜びするロー。
「・・ペンギン。」
「・・・何だ。」
「シュールだな。」
「・・・・言うな。」
そんな会話は船長と船員には届かない。