短編とか

□とある船員の創作記録
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4.『シロクマとお子様、午後の過ごし方』


「ベポォォ!!」

「あ、ナナシ。どうしたの?」

「あのね、あのね。とっても美味しいお菓子をシャチに作ってもらったから一緒に食べよー!」

「うん!食べよう。」


ある日の午後、ハートの海賊団は浮上して海を進んでいた。
安定している海域にいる為か、船員たちものんびりと午後を各々過ごしている。
ナナシとベポは船の甲板に出て、洗濯物が干されていない空間に座った。


「で、何のお菓子?」

「今日はね、“焦がしバターのフィナンシェ”だって!」

「わー凄いな!フィナンシェの意味はよく分からないけど!」

「ねー、私もよく分かんないけど美味しいからいいや!」



二人はお菓子を頬張りながら甲板の手すりによりかかった。
心地よい風が通り、ナナシは気持ちよさそうに目を細めた。



「そういえばさー。」

「うん?」

「ナナシは将来の夢ってある?」

「うーん・・・。」



ナナシはお菓子を咥えたまま考え込んだ。
ベポもベポで、ナナシからどんな答えが返ってくるか考えていた。
女の子といえば、お花屋さんだとかケーキ屋さんかな?
でも、キャプテンのお嫁さんとか言われたらどうしよう。
応援してあげたいけど、それじゃあキャプテンとの年の差が多すぎるしなー。
うーん、と悩んでいるとナナシがピョンと置いてあったタルの上に乗った。



「銅像を建てる!」

「えっ?」

「キャプテンが海賊王になったら、ローグタウンにキャプテンの像を建てるの!」

「すごいや!どんな感じの?」

「えっとね、とりあえず世界中で一番大きくてね。それでね、・・・」








数時間後、ローは部屋に閉じこもっているところをペンギンに発見され追い出されてしまった。
仕方なしに船の甲板へ出ると、ナナシが飛びついてきた。



「キャプテン!」

「っどうした?」

「キャプテンは腕がマシンガンなのと、目からビーム出るのと、どっちがいい?」

「・・・・・何の話だ!!」
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