短編とか
□とある船員の創作記録
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5.『前よりも大きく変わった、良い意味で』
ペンギン視点
「くらえ、海賊ビームってね!!ビビビビ!」
「ぐああ!やられたー!」
甲板に出ると、ナナシとシャチが遊んでいた。
本当にシャチは子供好きだな、誰かさん達とは違って不器用じゃないし。
シャチは倒れた状態のまま動かず、ナナシは心配して近づいた。
ナナシはシャチの前にしゃがみ、恐る恐るシャチを突っついた。
「だ、だいじょーぶ?シャ「つかまえた!!」ぎゃー!騙されたー!!」
「何してんだか。」
子供好きじゃなくて、本人が子供なだけなのか?
でもナナシが来てからというもの、前より船の雰囲気が明るくなったような気がする。
ベポはオヤツ&昼寝仲間が出来て嬉しそうだし、バンダナは自分の娘の様に可愛がり、煙草の量が明らかに減った。
ワカメは他の船員とのトラブルが減った。どうやら、ナナシと時々遊んであげているらしい。
子供と遊ぶときは話を最後まで聞かなければ駄目だから、それが他のところにもでてくるようになったんだろう。
シャチは仏頂面でいることがなくなった。妹分ができたから、良い兄を見せたいんだろう。
船長は昼前には起きてくるようになった。前は昼夜逆転した生活を送っていたんだが。
心なしか、隈が薄くなったような気もする。
「あ!ペンギンだ!一緒に釣りしよーよ!」
「一番大物を釣り上げた奴に今日のデザート謙譲な!」
そして俺は・・・。
「おう、今行く。」
この二人に付き合うことが多くなった。
しかし、悪い気はしない。
(おおお!!大物釣れたってね!)
(って、ナナシ!お前ソレ海王類じゃねーか!)
(誰かァ!!キャプテン呼んで来いぃぃ!!)