Another World

□3 遥か空にて
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「……下界の人は大丈夫かな」



天使、ピット。
天空界のパルテナ親衛隊の隊長である。
今、彼は下界の様子を眺めていたのだがその下界の様子がどうもおかしいのである。



「ピット」



ピットの背後から名を呼ぶ声がした。
その声に振り向くピット。






「パ、パルテナ様」








ピットを呼んだのはパルテナであった。
ピットはパルテナに駆け寄り姿勢を低くした。




「ピット、あなたは今から下界へ向かいなさい」



「へ? ……はい?」



「あなたには使命があるのです。今、下界には大きな闇が現れようとし、下界を蝕もうとしています。それを止めに行かなければならないのです」



パルテナの突然の申し出。
ピットはスケールの大きさに頭がついていかずあまりピンと来るものがなかった。
だが先程の爆発、あれがパルテナの言う巨悪の物ならば。



「た、確かに僕だって、下界へ行き困っている人を助けたいです。ですが、僕1人がやってもそんな巨悪に対抗出来るとは……」



しどろもどろに答えるピットにパルテナは優しく微笑んだ。



「大丈夫です。その巨悪に立ち向かう運命にあるのはあなただけではありません」



「どういう、意味ですか……?」



ピットはわけが分からずパルテナに聞き返した。
パルテナは微笑んだままピットへの指令を続けた。



「言った通りの意味ですよ。後ろの大扉を下界に繋げました。まずは降りて雲海に行くのです」



「……分かりました!」


ピットが立ち上がり後ろにある大扉へ走ろうとした。そこをパルテナが一声かけた。



「ピット、これを持っていくのです」



パルテナが手を差し出す。掌からは淡い光を放つ球体が出現しそれは1つの弓となった」



「これは?」



「神弓です。それと同時に鏡の盾、イカロスの翼も授けました。さぁ行くのです、パルテナ親衛隊隊長ピット!」



「隊長、頑張ってください!」


いつの間にかイカロス達も来ていたようである。
ピットに心からの声援を送った。ピットはみんなの励ましに心に来る暖かい物を感じつつ急ぎ足で大扉へ向かった。大扉は重々しい音を立て開放され、外からの光にみんなは眉を細めた。



「では、行ってきます!」


ピットは広い大空、雲海へと旅立った。



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