Another World
□1 それはある日突然に
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「うわあぁぁぁ! 死ぬぅぅ!」
鈍い音が響いた。
「ブガッ……」
情けない声を出し倒れるマリオ。
カービィは石化を解きマリオの横に立つ。
「死ぬって……そんな大袈裟な」
「あれ? 生きてる」
目をぱちくりさせるマリオ。
そんなマリオに不思議そうにカービィが聞いた。
「……マニュアル読んでないの? この試合、特別な装置で攻撃は全部ダメージとして蓄積されるんだ」
「へ、そうなの……?」
「ダメだよ、ちゃんと読まなきゃ」
マリオは自分がこんな子ども、かどうかは解らないがカービィに説明されているこの状況に少し赤面し、立ち上がった。
「じゃあ本気出しても構わねぇんだな……?」
世界には色んな奴がいるもんだ。
改めて認識するマリオ。
「もちろん」
笑顔で答えるカービィ。
「行くぜ!」
この試合、絶対に勝つ!!
スタジアムの特別観戦席に二人の姫がその戦いを傍観していた。
いや、むしろ世間話に花を咲かせていたが。ピーチ姫とゼルダ姫である。