銀魂short
□時を止めて
1ページ/1ページ
俺に、時を止められる力があったらいいのに。
「…なんて、柄にもねぇわな」
ハハ、と一人で笑ってゴロンとソファーに寝転がる。
まったく、乙女チックなこと考えるようになったもんだ。
我ながら気持ち悪い。
でも
たまに本気で思うんだ。
このまま時が止まれば、アイツともずっと一緒にいれるし、それ以上の幸せなんてないんじゃないかって。
きっかけはほんの些細な事で。
たまたまアイツに会えたとか、目が合ったとか、たくさん話せたとか。
本当につまんない事なのに。
つまんない事だけど。
つまんない事だから。
だから余計に、忘れられなくなる。
理由なんてわからない、いらない。
そんなものなくたって、愛し合えるんだから。
旦那。
って、俺を呼ぶその声が
ギュッって、握ってくるその手が
静かに見つめてくるその瞳が
何よりも大切で離したくなくて、どこにも行かせたくなくて。
時が止まれば、ずっと笑い合っていれる。
ずっと抱き締め合っていれる。
さあ、時を止めて。
今すぐ君に、会いに行こう。
end