Dreams

□見えぬ恋
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ここは夕暮れの澄んだ雲が大きく展望して見えるほどの大きめな窓から差し込む光が周りを引き立てるような黒を貴重とした家具が浸透しているその部屋に、彼らはいた。
 一人は、栗色の癖のある髪型にまだ幼さを残しつつある大きな目。そしてまだ伸び悩んでいる背よりすこし大きめの制服を着ていた彼の名は、沢田 綱吉。次期ボンゴレ十代目である。
 そしてもう一人は、闇より深い黒色の癖がひとつも見つからないほどの髪で、スッと伸びた背の肩にはツナと同じ制服がかけられており、下には風紀と書かれた腕章をしていた彼の名は、雲雀 鏡弥。ボンゴレの雲の守護者であり、二人の学校の風紀委員長である。
 そんな二人は隣同士に座っており、机の上にはかわいらしくラッピングされた箱からは甘いにおいが漂っていた。

ツナ)雲雀さん。今日京子ちゃんとハルからチョコもらったんでおすそ分けです。

雲雀)うわぁお。これはおいしそうだね

ツナが幸せそうにさっきあった出来事を振り返りながらうれしそうに話しながら蓋を開ければ中にはハート柄の整えられたチョコが満遍なくちりばめられていた。それをみれば雲雀は大げさに声を上げて歓声の声をあげれば、一番不恰好なチョコを一つ手につまんでそれをいじりながら語りかけた。

ツナ)でしょう♪

雲雀)本当においしそうだよ。君の作ったチョコレート。

 ツナはその言葉を聞けば自然と頬が緩み微笑みながら言った。雲雀は、その不恰好なチョコを箱に置きながらすべて見透かすような瞳でツナを見ながら言った。それを聞けばツナは目を丸くして固まっていたが図星だったのかすぐに頬が赤く染まっていった。

ツナ)なっなんで、そんなことわかるんですか? もしかして愛の力かなぁ

雲雀)馬鹿なこといわないでよ。だってあの中で一番形が汚かったからわかったんだよ。

ツナ)がーん。

 赤く染まったままの顔で呂律がはっきりと回らないまま早口で言っていれば、無表情の雲雀をにやけた顔でみながらうれしそうに呟いた。だが雲雀はそんな儚いツナの願いも届かずに冷ややかの目線をツナに浴びせながら即答した。そして当たり前のように絆創膏が数枚張ってある指を見ながら言った。そんなことにも気づいていないツナは頭を抱えて口元をゆがませながら泣きそうな声で言った。そんなとき、ツナの頭にこのチョコを入れたらどうなるのか? という疑問が沸いた。そんなツナの悪巧みには気づいていない雲雀は学校の重要な書類をぱらぱらとまくりながら真剣な顔で読んでいた。

ツナ)雲雀さんっ

雲雀)なっ……うっ

 そんな雲雀の態度が気にくわなかったのかツナはチョコを一つつまみ雲雀の名を呼べば、素っ気ない態度で軽く首を動かしてツナの方をみるのを確認すると同時に手に持っていたチョコを雲雀の口につっこんだ。思いがけない行動に付いてこられなかったのか軽々に口の中に入っていった。
 雲雀は、チョコがのどの中に溶けていけばだんだんと青い顔になり、引きつった顔になっていけば膝を抱えてうずくまっていた。
 ツナは、そんな一度も見たことのない雲雀の姿になんとなく優越感を感じてしまい軽く頬がゆるんでいけば、頭の中が冷やされていけば、雲雀の様子が違うことが分った。

ツナ)あっあの……雲雀さん?

雲雀)きみ……ここの拘束知ってるかい? ここでは飲食物禁止なんだよ

ツナ)えっあ……そのっごめんなさい

雲雀)問答無用……校則を破るのは並盛を汚すのと同じだよね……だから君、かみ殺すよ

 いつの間にか雲雀はうずくまりながらも不機嫌でさんざんな未来が伺えるオーラを放っていた。ツナはこれはやばいと本能的に感じ取ったのかおろおろとしながら不安そうに雲雀を見つめた。
 雲雀は、軽く目をあげてツナの方を向いて無表情でトンファーを握りしめてドスの聞いた声で一度尋ねれば、しどろもどろになっているツナの答えを聞かずに獣の目に戻ればにっこりと微笑を浮かべれば立ち上がり握る力を増やしながら尻餅をついて後ずさりする涙目で謝っているツナを冷ややかな目でみれば構えをしてツナの方へかるく小走りでトンファーを振り下ろした。
 それから、数時間後、顔は腫れ上がってぼろぼろになっているツナが応接間から出て来た。だがツナの表情はとても優越感にひたっていてとても嬉しそうだった。
 それもそのはず、ツナのバックにはもう一つ、真っ黒の包装紙につつまれたビターのチョコレートが入っており、中には何もかかれていない一枚のカードが入っていたそうです。
            END
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