Dreams
□チョコレート
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千)骸様……朝です。
骸)千種ですか…キスしてください。
骸様はそう言えば布団から腕を伸ばした。俺はそっと口付けをした。
俺と骸様はつきあっている。それも長年も前から
犬には気づかれてないみたいだけど正直ばれてもいいと思っている自分がいる。
骸様はくふふと妖しげに笑えば、ベットから身体をあげた。
骸)では千種…いきましょうか
千)はい…骸様
俺は骸様から出された手を握れば犬がいる食堂まで二人の時間を過ごしながら歩いていった。
犬)千種おそいのらー。あっ、骸様おはようございます。
犬はもう椅子に座っていて他のメンバーもいた。犬はお腹空いたのらとかなんとかいって俺に不満げに漏らしていた。他のメンバーの視線が出口に向かっていた。骸様が来たからだった。そのころにはもう手も離していて、骸様は涼しい顔で挨拶を返していた。
俺は朝食を取りにキッチンへと足を進めた。後ろには骸様。それも笑いながら。
千)骸様…どうしたんですか?
骸)なんでもないですよ…ただ千種と一緒にいたいだけですよ
千)骸様…。
俺は後ろを振り向けば、骸様を見ながら問いかけてみる。骸様は見たことのない様なはにかんだ笑いを見せながらいった。俺は不覚にも頬を赤らめ恋人の名を呼んだ。
骸)くふふ…千種かわいいですよ
骸様は楽しそうに笑いながら俺の頭をなでてそう言って、みんなの待つ場へと向かった。
千)めんどい…。
俺は、骸様が行くのを無表情で見送った。そしていったのを確認すればため息をつきながら一言呟いた。
そう恋愛ほどめんどうな物はない。
それは骸様にしても同じ。
ただつきあっている。
ただ骸様の命令だからつきあっている。
俺の中身は空っぽだ。
ただ、骸様の前でのみ振る舞っているだけなのだ。
俺は暫く朝食を眺めればトレーに入れてみんなのいる場へと向かった。
骸)千種遅かったですね
千)すみません骸様。少し手間取ってしまって
骸)かまいませんよ。では頂きましょうか
骸様は少しだけ心配そうな表情でいった。俺は頭を下げていえばいいわけをいってから朝食を振り分けた。犬も腕を上げて喜んでいた。骸様は俺に笑いかけて下さればそういって笑いかけながらいった。
骸様の告白はバレンタインデー。
千種つきあいましょう。の一言。俺はピンと来なかったが犬からもらった10円チョコを渡していた。
骸様は嬉しそうに笑えばそれを口に含んだ。
ただ、それだけ。
俺は返事なんかしてないんですよ骸様。
だから俺は本当に骸様の事好きなのか分りません。
骸)千種?大丈夫ですか
千)はい。骸様大丈夫です。
そんな事に浸っていて動かすのをやめていた俺に骸様は声をかける。俺は表情をかるく動かして返事をした。
甘くしかないチョコレート
それは俺にぴったりかもしれない
END