Dreams

□応接間にて
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『2年A組沢田 綱吉…至急応接室まできなよ…来ないと咬み殺すよ。』

昼休み、並盛中学校に一本の放送が響いた。
その放送に全生徒に波乱がおき、たった一人の冴えない男子生徒に注目が当たった。
その名は沢田 綱吉。10代目ボンゴレボスであった。

『雲雀さん…;』

綱吉はその放送に心当たりがあるのか深くため息をついて、生徒達の視線をうけながらそそくさと応接室へと向かった。



『遅いよ…君、呼んでから何分かかってるの。』

『すみません…雲雀さん』

広々とした応接室には並盛最強といわれる雲雀 恭弥が不満そうに冷めた口調で話ながらそこにいた。
綱吉は頭を下げて謝り、ソファーへと浮かない表情で向かった。
今日呼ばれた理由は二つある。
一つは、雲雀が綱吉にある告白して答えを聞いていないこと。
もう一つはその期限が今日までということだった。
そして綱吉はその答えをまだ考えていなかった。

『で、返事は?』

雲雀は特大の椅子に深々と座りながら無淡泊に言った。

『…雲雀さん…それは…』

綱吉は目を反らして言葉を濁した。その行動に雲雀はますます苛々が増し、自身の武器で机を粉砕しかけた。
それをみた綱吉は元々青かった表情はもっと血の気が引いて白くなった。

『ねぇ…君。僕の命令を聞けないの?』

雲雀は珍しく笑みを一瞬浮かべれば綱吉の側に座れば、かたかたと震えている綱吉の肩に腕を回して密着すれば耳元で囁いた。

『ひっ雲雀さん…///』

雲雀の予想にもない行動に綱吉の赤面し紫になっていく表情で弱々しく自分の名を呼ぶ相手に優越感に浸りながら雲雀は薄ら笑いを浮かべた。

『綱吉…ねぇ…いいよね?』

『…はい』

綱吉の両肩を強く握りしめてもう一度確認するように目を見ながら苦痛に顔をしかめている相手に拒否権を与えない言い方をした。
綱吉は弱々しく頷いた。
雲雀はその言葉に無表情のまま綱吉から手を離して淡々と言った。

『ならよろしくね…』

『…やらなきゃ駄目ですか…雲雀さん』

綱吉は泣き目になり口元を歪めながら雲雀に訴えた。

『やだよ…赤ん坊と闘いたいからね…それとも君がするかい?』

『うっう゛う…頑張ります…。』
雲雀はその訴えに即答し殺気を軽く出しながら笑えば綱吉に仕込みトンファーを見せびらかせながら問いかけた。
その仕草をみれば垂れながら小声で言った。

『もういいよ…うっとうしいから早く出ていきなよ』

ため息をつきながら言葉を紡ぎ、綱吉を冷めた目付きと言葉で突き刺せば、相手を見らずに掌を広げて手首を使って上下運動をした。
背中を丸めながら綱吉が出ていくのを頬杖をつきながら見れば小声で呟いた。

『好きだよ…沢田 綱吉…。』

    END
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