Dreams

□三角関係
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犬に噛まれた彼
彼が愛した彼
いつの間にか病んだ彼

歪な関係は壊れて終わる

【三角関係】

並盛最強と噂される風紀委員長――雲雀恭弥は応接室にいた。
目の前には、銀色の髪の毛に校則違反のアクセサリーの数々をつけた目付きの悪
い男――獄寺隼人がいた。

『なんのようだい?』

『十代目からのご命令だ。』

恭弥が窓の外を眺めながら冷めた口調で訪ねれば、獄寺はスプレーを雲雀に向かって吹き掛ければ意思のある瞳でいった。
雲雀はスプレーを吹き掛けられれば突如睡魔に犯された。

恭弥が目を開ければ、そこは応接室ではなく、コンクリートでできた檻の中だった。
隣には、焦点のあっていない瞳でぎりぎり生き延びている栗色の髪の少年――10代目ボンゴレボス沢田綱吉の姿があった。
綱吉の姿は無惨で、身に纏うものはすべてぼろぼろに引き裂かれており打撲で黒
く染まった肌には赤い線が何本も引かれている。
恭弥も姿もまた無様であった。
首輪をはめられ最低距離のみの鎖にしかなく、手足もかせがはめられており動くことすらできなかった。

『10代目…今からやりますから…よろこんでくださいね』

暫くして獄寺が降りてきた。手には赤い線の原因となった鞭と小さな木箱があり、まずは綱吉の方へと行けばお辞儀をして意識の薄い綱吉の額の真ん中にきすを落とした。
次に恭弥の所にやってくれば、突然恭弥の耳たぶに強烈な痛みが襲った。恭弥は突然の痛みに声をあげた。
獄寺が何もせずにピアスをさしたからであった痛みに対する恭弥の悲鳴に獄寺は笑みを浮かべる。

『これって本当は君がされていたのじゃないの?』

『煩いっ。このみかん頭が』

恭弥はどこか見下した目で獄寺をみていった。
図星だったらしく獄寺は怒りにまかせて暴言と共に恭弥の腹部に蹴り込んだ。
恭弥は痛みに耐えて声をあげぬよう下唇を噛み締めた。
獄寺は、その態度に笑いながら肋骨あたりを一本ずつ足で強引に外していく。

『ほらっ喘げよ。10代目が望んでいるだろうが』

しゃがめば恭弥の口の中に指を突っ込んで誰も映し出していない瞳でみながらそういった。
恭弥は、噛むこともままならないようになりただ声をあげた。

じわじわと冷たさを感じる身体。
足の神経を切られる感覚。

生理的に流れれる涙。

それを獄寺は赤い舌で舐めとれば眼球まで嘗めた。

『きもちわるいよ…きみ』

『まだ元気が残ってるんだ。もっと10代目を喜ばせやがれ』

恭弥は残りの力を使い皮肉を言う。
だが、恭弥には足も手も身体の支配権は失っていた。
グレー色の床は真っ赤に染まり、綱吉は冷たくなり倒れていた。
それでも獄寺はこの世にいない綱吉の事を思い、恭弥の足にナイフを突き刺した



数日後――。
地下牢で見つかったのは、三人だった。
獄寺に慕われ支配し、恭弥に好意を抱いていた栗色の少年は、赤い線が鎖のように身体に巻き付きながら死んでいた。

綱吉に好意を寄せられまた、群れることを嫌う黒髪の少年は、顔以外の身体の全てをナイフでぐちゃぐちゃにされて死んでいた。

綱吉に支配され狂ったことにも気付かなく主人に忠実だった銀色の少年は、爆弾の焼け跡を残して死んでいた。

そしてようやく狂った歯車はとまった。
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