テニプリnovel
□猫の『周マ』
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「楽しい?」
「楽しいスよ」
僕の部屋に来てリョーマは最初に猫と遊び始めた。この猫は元々は捨てられてた猫だったが、姉さんが可哀想だからって拾ってきたものだ。
それを僕が育てている。
「可愛いよね。その猫」
「可愛いスね」
珍しくリョーマの目は輝いていた。
興味があるものは自然とそうなるらしい。
ちょっと猫が羨ましいなって思う。
リョーマは僕にそんな目をしてくれただろうか…?
「名前は?」
「え?」
「名前ないの?猫の」
「あ…」
色々と考えてた僕は、リョーマのいきなりの問い掛けが分からなかった。
しかも困ったことに昨日拾ってきたばかりなので名前がまだない。
「名前…まだ決めてないんだ」
正直にリョーマに伝えると、ガッカリすると思い気や、彼の表情は晴れ晴れとしていた。
「名前決めていい?」
「あ、…リョーマが決めてくれるの?」
まさかそんなことを言ってくるなんて思いもしなかったから、生返事みたいな感じになった。
でも彼はそこまで気にしてはいない様子だ。
「周助ね」
「え…何?」
リョーマの言ってる意味が分からなくて思わず聞き返す。