テニプリnovel


□愛する人のために…
2ページ/7ページ

「手塚、越前はお前なんかに渡さねぇぜ」









「アンタ、今日もいるの?暇だね」
「あ〜ん?俺様は暇じゃねぇっていつも言ってんだろ?」
越前の帰宅途中で待ち伏せし、俺は背中にラケットを背負い、微笑む。
「今日は何の用?その様子だとまたテニスに付き合えって奴?」
またとは、昨日のことだ。俺がテニスを口実に彼を誘ったのだ。
彼とのテニスは実際やってて飽きないし、楽しかった。
「いや、今日は別だ。ちょっと付き合え」
「ヤダ」
越前が素直に従ってくれる筈がない。
それは最初から分かりきっている。
生意気で気が強い所。
それが彼らしいところでもあり俺の好きなところだ。
「そう言わずに付き合えよ?何か奢ってやるから」
「じゃあ、ポンタ3ヶ月分ね」
悪戯っぽく笑う越前に、俺も薄く笑う。
「あぁ、いいぜ?じゃあ、付き合ってくれるんだな?」
「早く終わんの?」
「あぁ」
含み笑いをする俺に越前は負けじと強い眼差しを向けた。
「じゃあ、早くしてよ?俺、アンタと違って暇じゃないし」
「そうだな、じゃあ、早く済ましてやるよ?お前のためにな」
そう言って俺は越前の顔をじっと見る。それを彼が訝しげに首を傾げた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ