バトテニBL小説

□地獄絵図
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木をたてにして弾をよけるつもりだったが、木から少しはみ出した右肩を弾が掠る。
少し血が出たが、大した怪我ではなかった。
そして千石は一歩一歩、柳生に近付いていく。

「…どうすれば」

今、木から出たら柳生は確実に撃たれてしまう。
背を向けるのは危険だった。
仕方なしに柳生は後退りする形で木をたてに身を隠す。

「柳生くん」


パンっっ!

またもや発砲。
それは、柳生の右足に貫通した。

「ラッキー。当たっちゃった」

右足に激痛が走る。だが、柳生は構ってる暇などなかった。
右足を引き吊り、左足だけを頼りに後ろへと後退る。

「うーん。いいこと思いついちゃったかも!」


パンっっ

発砲した弾は柳生の左足を貫通。

「くっ…!」

両足をやられ、歩くのも至難の業となった。
動かす度に血がどっと流れてくる。
痛みが走る。

「残念だったね。柳生くん」

「なっ!」

柳生があまり動けないのをいいことに、千石は走って柳生の目の前まで来ていた。
そして、千石は銃を柳生の額に向ける。

「バイバーイ。柳生くん」

パンっっ









「うっ…うぐ…うっうっ…」

「英二…」

菊丸と大石の二人はこっそりと茂みで身を隠していた。
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