〜もしもシリーズ(え、続かせる気?〜
「!!??」
「………………………えー」
何この子、みたいな目で見られてるんだけど。誰にって…オレンジ頭の迷彩服のお兄さんに。いやいや、俺が何、なんですけど!は、ここどこ…?俺、確かダチと学校の教室で喋ってた筈…
混乱しながら辺りを見回すと、何やら昔めいた日本家屋にいるみたいだ。畳だし、障子だし、襖だし。ただそこらの日本家屋にしては上等な感じが漂ってる。だって、襖に厳つい虎の絵が描かれてるし…
そして目の前には迷彩服と、その隣には腰を抜かしているのか、驚愕の表情でこちらを見つめている赤い服を着たこれまた若い人。
そんな人はいるけど、肝心のダチがいねぇ。
え、誰…?
「なっなっなっさ、さささささ佐助!いい今、今!!」
「………うん、物音もしなかったのにね、いるね」
は、ちょっ、待て、何だその手に持ってるでかい手裏剣は!!何で構えてんだ!てかここはどこなんだよ!
そんな俺にはお構いなしに、目の前の迷彩は俺を睨む。
「この真田隊忍等頭猿飛佐助様に気配を悟られずに現れるとはね………まさか、あんたが伝説の忍、ってかい?」
ただの一般人ですが!!
え、いただけで何だかアイアムレジェンドですか。
って違うから!違うからそんな構えんな!!
「違っ俺…あの…」
「さ、佐助、そう構えずとも…」
「なーに言ってんの旦那!これが警戒せずにいられますかってんだ!」
「し、しかし…あまり忍に見えないが…」
「ちょっとちょっと、演技だったらどうすんの」
「そうだが…」
「大体旦那は警戒心と言うか、一国一城の主としての自覚が………」
喧嘩、しだしたぞ。
俺は無視かよ………いや、有り難いけど、俺はどうしたら良いんだ?
すると言われ放題だった赤い兄ちゃんがいきなり立ち上がって吠えた。(犬みたいだから、つい表現が…)
「もう良い!佐助なんか知らん!!俺はこの忍殿を雇う!!!」
「えっえっわっ」
「はー!!??何言ってんの、旦那!!」
本当にな!
赤い兄ちゃんが俺の所に駆け寄ってきたと思ったらいきなり抱き締められた。やめてくれ、幾らジャーニー系統なイケメンでも、抱き締められたくないって言うか初対面に何してんだ!
「伝説の忍殿!望まれる物なら某、出来る範疇でお渡し致そう。某に仕えてはくれぬか…?」
「旦那〜…」
えー見事に喧嘩に巻き込まれてんですけど!
〜もしも俺が上田城にトリップしちゃってたら〜
(アイアムノットレジェンド…)
どこに行ってもオロオロしている子です。