小説 アビス

□「焔と白い花〜第二章・父と子〜」
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「ラルゴ・・・」
ルーク達はアブソーブゲート最深部・・・かつて師匠でありティアの兄であるヴァンと戦った場所に来た。
そこには六神将がいた。
シンク、リグレットそしてラルゴ・・・かつては六人いた六神将も今ではアッシュを抜いて後三人になっていた。つい最近までは四人だったが妖獣のアリエッタはアニスが倒した。まだ14歳のアニスには辛いことだったと思う。なにせアリエッタは最後まで自分が導師守護役から外された理由は知らなかったのだ。ルーク達はそのわけを知っていた。もちろんアニスも・・・
ルークたちが知っているイオンはレプリカだった。
イオンは惑星預言を読んで死んだ。モースに読まされたのだ。ルーク達が駆け付けた時、もう手遅れだったのだ。イオンは死ぬ寸前に「僕はもう死にます。だからティアの汚染された障気を持って行きます。」そうしてイオンはティアの第七音素を自分の体にうつし・・・死んだ・・・跡形もなく・・・
アニスにとって、ルーク達にとって嫌なことが縦続きにおきた。そんなルーク達に追い打ちをかける出来事があった。つい最近ナタリアの本当の父がわかったのだ。
父の名はバダック・・・今では黒獅子ラルゴと呼ばれている男、紛れも無い今ルーク達の目の前にいるこの大男だった。
「なんであんたと戦わないといけないんだ!!あんたナタリアの父親だろ!!」
「娘は死んだ。預言のせいで18年まえにな」
それがラルゴの預言を憎む理由だったのだろう。

ラルゴと戦うつまりナタリアにとっては父親と戦うことだったのだ。だからラルゴとは戦いたくなかった。ナタリアのためにも。
「なんで戦わないとダメなんだよ・・・」
「おかしなことを言う。何千もの人間を殺した人間の言葉とは思えんな。」
聞き覚えのある声が響いた。
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