小説 アビス

□「焔と白い花〜第三章・彼女と月光と波の音〜」
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外に出るとまだヴァン達はそこにいた。

「やめろ。アッシュ。無駄だ。」
「黙れ!!うおおお!」
キンッ!!
火花が散る。
アッシュが吹き飛ばされた。
「アッシュ!!」
「ほう、ラルゴを倒したのか。」
ヴァンがこっちに歩いてきた。
「ルーク。私と共に来い。もはや被験者より私にはお前が必要だ。」
必要だ。初めてヴァンにそんなことを言われた。
ルークは戸惑った。
だが
「お断りします」
ほう何故だ。そう言ってヴァンはルークの肩に手を置いた。
その時紅い玉が光だした。「ぐぅお・・・!」
ヴァンがいきなり悶えだした。
「・・・ローレライが・・・暴れる・・・・!!」
そうその光だした玉はローレライの宝珠・・・音素を拡散する力のある珠だ。
その珠の力でローレライが目覚め暴れだしたようだ。
「・・・ローレライの・・・宝珠か・・・見つけていたのか」

「所詮レプリカと甘く見たか・・・リグレット!後は任せた。私はローレライを鎮める!」
そういってヴァンは魔物に乗って行ってしまった。
「お前達の相手をする暇は無い。」
そう言ってリグレットも何処かへ行ってしまった。
「アッシュ!」
ナタリアが駆け寄った。
アッシュはすごい怪我をしていた。
「アッシュ!すごい怪我ですわ、今治癒術を・・・」
「やめろ!離せ!」
そう言ってアッシュはナタリアを突き飛ばした。
そしてアッシュは走って何処かに行ってしまった。

「おいアッシュ!!」
呼び止めたが無駄だった。
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