小説 アビス

□「焔と白い花〜第一章・死の恐怖〜」
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ルークが宿屋にもどると皆ロビーにいた。
「どうでしたの?」
そうナタリアに聞かれた。ルークは咄嗟に、
「え?あっ、ああちょっと血中音素が減ってるけどまあ大丈夫だってさ」
ルークにしてはうまく嘘をつけたと思った。
「へ〜ルーク。よかったじゃないか。」
「ルークって以外としっぶと〜い♪」
「よかったですわ」
心が痛む・・・何より
「本当!?何処も悪い所ないの!?」
「あっ、あぁ」
「そう。良かった」
何より本当に心配してくれていた自分が思いを寄せる彼女を騙すのが本当に辛かった。この嘘はもともと彼女を安心させるための嘘だった。自分が消えること彼女にだけは知られたくなかった。彼女の・・・ティアの哀しむところなんか見たくなかった。
だからこんな嘘をついた。なのにその嘘がこんなにも辛いなんて思わなかった。(うわっヤバッ///)
「じゃ俺疲れたからちょっと寝るわ!」
「え?ちょっとルーク!?」
ティアに呼び止められたが聞こえなかったフリして速足でルークは、部屋に戻った。
泣きそうだったのだ。
だから部屋に戻った。
もし今泣いたらバレてしまう所だった。
コンコン
部屋の扉を叩かれた。
ルークはもしかしたらティアかと思い心臓が爆発しそうなのをなんてか抑え、やっとでた言葉が
「誰ダ」
しまったと思った。思わず棒読みでしかもいつもより数段高い声で応えてしまったのだ。
これで扉の向こうにいる人物がティアならさっきの嘘の意味が失くなってしまう。
そうこうしてる間にドアが開いた。
茶色の長い髪が見えた。
入ってきたのは・・・・・・・・・
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