o(^∀^/[小説]\^∀^)o

□★キリリク☆ お花見
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「そうだ!花見をしよう!」

きっかけはサニーサイドの思い付きのような一言だった。

「お花見ですか?良いですね〜。」

新次郎がそれにいち早く答えた。

「お花見って、何だ。食えるのか?」

「ボク知ってるー!日本のパーティーみたいなイベントだよねっ。…確か、花よりだんご?」

小首を傾げながら言った。

「ジェミニ、イベントと言うのはあっているが、最後のは少し違うぞ。」

「まぁ、なんでもいいじゃないか。パーティーなんだろ?」

「はい、似たようなモノですよ。桜の花を見ながら、みんなで食事を食べたり、お酒を飲んだりするんです。」

「それは良いですね。うふふ、何だか今から楽しみです。」

「ボクも楽しみー。そうだ!ステーキサンド作って、持って行くよっ!」

「アハハハ、じゃあ、お酒はボクが用意しよう。花見酒は美味しいからね。」

「それじゃ、他のみんなにも、伝えないいけないわね。」

「おっ、いいねぇ〜。こうゆうのは、大勢の方が楽しいからな。」

そんな感じで、お花見パーティーの計画は着々と進行して行った。


その日の帰り、新次郎は、横を歩く昴に、上機嫌で話し掛けた。

「まさか、紐育に来て、お花見が出来るなんて思いませんでした。」

目をキラキラとさせながら喋る。

「全く、サニーサイドの奴は、いつの間に桜なんて植えたんだ?」

はしゃぐ新次郎を横目に、昴は最もな疑問を口にする。

日本趣味もいいが、桜までとは…。

半ば飽きれた顔をしている昴をよそに、新次郎は、

「いいじゃないですか、おかげで、お花見が出来るんですから!」

などと、脳天気に言う。

「フフ、楽しそうだな。そんなに花見が好きなのかい?」

「はいっ、昔は、毎年してたんですよ。」

新次郎は、嬉々として返事をし、昴に視線を合わせる。

しかも、満面の笑みで。

「そう、か…。」

純粋無垢な笑顔を向けられ、昴の心は、ドキリと揺れる。

(全く、君という奴は…。事あるごとに、僕の序破急を狂わせるのだな…。)

昴の、そんな心模様もつゆ知らず、覗き込む黒い瞳とかち合う。

新次郎の笑顔につられ、自然と昴も、その顔に微笑みを映した。

「昴さんは、しなかったんですか?」

何気なく、新次郎は、聞いてみた。

「僕は、そういう事には、余り参加しなかたからね。」

そう言葉にする昴が、新次郎には、少し寂しそうに見えた。

だから、

「じゃあ、今度のお花見は、目一杯、楽しみましょう!」

なるべく元気良く、笑顔で言ってみせた。

そんな新次郎に昴は、彼のネクタイを掴み、引き寄せながら言う。

「君がいるなら、何時だって、楽しいさ。」

新次郎は、大きな瞳をパチクリとさせながら、昴の不意打ちに固まる。

「えっと…////ぼくも、昴さんと一緒に居られて、その…嬉しいです////」

頬を染めながらも、一生懸命に答えようと頑張る新次郎。

昴は、そんな新次郎を愛しく感じた。
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