春夏の傷(想華之章)

□あの想いし誰の為に刻まれよ…
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―――天神界・サチェ・華月の寝室


私の前世は、光王と闇姫。太古の昔にイザリオと云う聖界があった時にいた神々。
特に、アラディーナ神は容姿が美しき神だと謳われている。
その神を讃える為にアラディーナ討伐戦が五百年に一回行われるのだと、父から教えてもらった。


「昔々に存在した神に拘る理由を知りたいもんだ…」


鏡に映る自分を眺めていると、歪みが生まれた。
私と似た容姿をした女性が微笑する。


《久々に見てみれば、ふてくされておるのか?!》


「違うっ」


《妾とアラディーナが望んだ世界が気に食わないか…》


「私は…アラディーナ討伐戦など無意味だと思っている。アラディーナはルフェリアでもあり私でもあるから…」


《そして、アラディーナの母親レイでもある…な。妾がしたコトは罪だ…》
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