春夏の傷(想華之章)

□十六夜の月と御霊の華
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――天神界・レイ・光皇城・玉座


「どいゆう事か、説明しなさい!」


大きな声を荒たげるのは、華月と緋月の伯父貴にあたる昴夜。
その様子を少々、うざったげな表情で華月は伺う。説明と言われても困るのだ。
流れる月日の中で、緋月と体を交わせたのは変えられない真実故に、宿ってしまった御霊。


「何だ。間接な説明をすれば、私は戻って良いのか?昴夜…」


「そいゆう事じゃなく…」


「じゃあ、どんな説明が聞きたい。私と緋月は双子ゆえに体を交わせた挙げ句…御霊を体内に宿した。それがいけない事だと言うなら、私は御霊共々…消滅してやる。天達にも話は行き渡っているだろうからな」


「ちょっ、華月…」


眉間に皺を寄せ、昴夜を見据える華月。
険悪な雰囲気を察知した伯父貴達が止めに入る。
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