薔薇の詩(うた) 月の詩(うた)

□響き…
1ページ/2ページ

夜空に浮かぶ星は……
愛しの貴方の形見

頬に悲しい雫が……
落ちる瞬間に……


声も出せずに怯えて雫を落とすコトしか許されない───


抱いた恋は貴方に届かず消えていくの………


もどかしさが私をせき立てる

イライラが……憎しみに変わる
時間(とき)が経てば……

“わすれる”と言っていたよね

母の優しさだけを貰って……

父の愛だけを貰って……


生きたわ。夜空を見上げれば……愛しい人の幻影(すがた)


寂しいだけ……が私を癒やしてくれた。

母の優しい笑顔をもう一度頭に浮かべ………


父の勇ましさを……胸に刻んで今日から生きていく────


優しかったあの笑顔……

温かったあの手……

どれもが私の宝……


“いい子”でいるよ。だから一人にしないで───


私も一緒に行きたかった……


あの日…母は私に言っていた。
『優しさは…求めるモノ』

明るい声音で囁いてくれた……

些細なコトがきっかけで突然……私の前から姿を消した……

愛しい人たちよ……


瞳の奥に残る記憶は微笑んでいた母の姿です───

記憶に残っているのは後悔に慕っていた父の姿です────


懺悔なんて似合わないのに……
浮かぶ姿は星に刻まれた悲しい思い出だけ───


私の頭に僅かに残っているのは楽しい思い出だけ………


過去を振り返るのはいけないことなの?


甘えてばかりの私に二人は優しく聞いてくれたね………


抱きしめてくれたね強く……
私が不安にならないように……

なのに…もう傍には微かに匂いだけを残していなくなった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ