薔薇の詩(うた) 月の詩(うた)
□響き…
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夜空に浮かぶ星は……
愛しの貴方の形見
頬に悲しい雫が……
落ちる瞬間に……
声も出せずに怯えて雫を落とすコトしか許されない───
抱いた恋は貴方に届かず消えていくの………
もどかしさが私をせき立てる
イライラが……憎しみに変わる
時間(とき)が経てば……
“わすれる”と言っていたよね
母の優しさだけを貰って……
父の愛だけを貰って……
生きたわ。夜空を見上げれば……愛しい人の幻影(すがた)
寂しいだけ……が私を癒やしてくれた。
母の優しい笑顔をもう一度頭に浮かべ………
父の勇ましさを……胸に刻んで今日から生きていく────
優しかったあの笑顔……
温かったあの手……
どれもが私の宝……
“いい子”でいるよ。だから一人にしないで───
私も一緒に行きたかった……
あの日…母は私に言っていた。
『優しさは…求めるモノ』
明るい声音で囁いてくれた……
些細なコトがきっかけで突然……私の前から姿を消した……
愛しい人たちよ……
瞳の奥に残る記憶は微笑んでいた母の姿です───
記憶に残っているのは後悔に慕っていた父の姿です────
懺悔なんて似合わないのに……
浮かぶ姿は星に刻まれた悲しい思い出だけ───
私の頭に僅かに残っているのは楽しい思い出だけ………
過去を振り返るのはいけないことなの?
甘えてばかりの私に二人は優しく聞いてくれたね………
抱きしめてくれたね強く……
私が不安にならないように……
なのに…もう傍には微かに匂いだけを残していなくなった。