真夏の雨

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彼、皆川康志(みなかわ やすし)と出逢ったのは私が十九歳の頃だった。
十代後半ともあれば落ち着いても良い年齢だと正直に思う。周りの人達が同年代だとは思えないくらい私は一風落ち着きがあった様に見えたかも知れない。

腰まで伸びた茶色い髪、色素の薄い茶色い瞳。
自分の特徴をあまり説明しにくいのが難点だったりするけど、同年代の人達からしてみれば『私』という存在は不思議だったに違いない。


だって、無表情なんだもの…

不思議で、尚且つ…不愉快になっても仕方ない事だと自負しているわ。

人の視線がどいゆう風に自分を捉えてるかなんて重々把握している。無愛想、怒った表情、無口、冷淡。
指で数えられないぐらい…きっとある。

でも、ね…康志が私に対して持った印象は全く異なっていた。
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