真夏の雨
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真っ暗な店の中で康志が…
『後悔しないか?』
少し悲しげな声で聞いてきた。
『後悔?何で?』
果たして付き合う頃、私は『後悔』という二文字を浮かべただろうか。
いいえ、浮かべなかったわ…
私の性格を熟知しきれてない彼は、考えていたんだと思う。今更、付き合っていて私が後悔していないかを。
だとしたら、聞くのは間違っている。
『死ぬとしたら、俺が先だし…』
『…それはそうかも知れないけど、この先…何があるか解らないじゃん。だから…後悔してないよ』
最初から応えは決まっているの…
私が貴方を好きになった瞬間から。
何たって、自分は祖母や伯母、母親から“頑固”とお墨付きを貰うくらいよ?
一々、年齢がどうのこうので後悔してられるかしら。