黒に堕ちゆる華神月

□華黒き、時間
1ページ/7ページ

周りからは常に憧れの眼差しと羨望の眼差しを向けられていた。
それも致し方事ないと自負している私は、幼き頃から嫌悪を抱き続けた。
憧れるのは一向に構わないわ。けれどね…羨望される程の人生を送っている訳じゃないのよ。

言うなれば、ありがた迷惑だわ…


「織様よ…」


「今日も見目麗しいわ…」


「織様を拝めるなんて、光栄だわ」


それは用ございましたね。
私は一人間であり、神じゃない。拝まれても困る。
大体、この学園は何時から織(しき)家の信者が増えたのかしら…

織家。

私の生い立ちが沢山詰まった、由緒正しき旧家。
大金持ちしか通えない神月学園は所謂、マンモス校とも言えるわね。恨まれたり、憎まれたり、羨望されたりと複雑な人間の気持ちが入り雑じっている所。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ