真夏の雨

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鳴呼、妃由は…こいゆう時に自然と笑うのか。

鳴呼…
こんな風に甘えてくるのか。

きっと、本人は自覚無しだ…


妃由自身を理解してあげるのに俺は一年掛かった。
『むぎゅう…妃由からの愛情表現…』なんて可愛い発言をする時は、必ず甘えている証拠。付き合って一年で辿り着いた結果。

十九歳から二十歳になり、妃由は晴れて成人になった。


『どう?着物…』


『似合ってるよ。妃由の肌は白いから明るめの色も映える…』


振り袖を纏った彼女は綺麗だった…

綺麗過ぎて、それ以上の言葉が思いつかなかったのを覚えている。
六年という年月の中で一番記憶深い思い出だ。

そして、六年間という長い時間を過ごすとも…あの時は正直思っていなかった事を告白するよ。
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