beatmania UDX
□【世界で一人だけ】 前編
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突拍子もなかった。
「彩葉は………好きな人、居るの?」
「はえ!?」
洩れ聞こえてきた白黒コンビの会話。
その慌てっぷりに、ああ、いるのか、と少し落胆して。
その後に続いた言葉で、本格的に落ち込んだ。
「……うん……居るよ。」
ほら、失恋決定だ。
年齢も微妙に離れているし、駄目だろうなと思っていて。
告白もしなかったから、当たり前だと……思ったのに。
告白しちゃいなよ。
セリカの、そんな一言の後。
ほんの少しの間、沈黙が流れて。
何故だか、彩葉が自分の前に来た。
「どうしたんだ?」
「えと………その………」
真っ赤になって。
どもりながら、つっかえながら。
「慧靂くん!
私と付き合ってください!!」
頭の中が真っ白になりました。
【世界で一人だけ】
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