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□第二章 〜tosoro〜
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「セツナ! セゲル!」
ミライの声も、彼らには聞こえていなかった。
セツナも、セゲルも、虚ろな瞳でただ、そこに立っている。
そう、まるで……彼らの背後に居る少女に、仕えているかのように。
「ナユタっ! あなた、二人に何をしたの!?」
「……ミライ……」
ミライの叫びに、少女……ナユタは悲しそうに目を細めた。
ゆっくりと、ナユタは右手を天にかざす。
「ミライ、私は貴女を、守りたいんです。」
そういう、彼女の表情は。
とても優しい、笑みだった。
事の始まりは、ほんの少し時を遡る。
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