†...Blue rose...†

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「…… おい! エレキが目ぇ覚ましたぞ!」

「エレキさん、大丈夫ですか? どこか痛くありませんか?」


 ニクスやデュエルに髪をぐしゃぐしゃとかき回され、津軽に心配そうに覗きこまれる。

 亡羊とした意識の中で身体を起こすと、右肩と頭、それに背中がひどく痛んだ。

 眉を寄せると、すぐに痛み止めだと飲み物を渡される。


「えっと…… ここは?」

「城だよ城! お前、一ヶ月間起きなかったんだぞ!?」



 城。


 その一言に、一旦思考が停止する。



「……城?

 そうだ兄貴は!?」


 訳の分からない冗談はともかくと、この場に居ない兄の事を叫ぶように尋ねると、目に見えて皆が固まった。

 嫌な予感が胸をよぎる。


「……お前、頭打っちまったもんな……」


 ニクスがはぁ、と溜息をついて、ぽむぽむと頭を叩く。

 訳がわからずそのままにしていると、デュエルが壁に寄りかかったまま口を開く。


「一年前、か。

 あいつは、お前と一緒にUNKNOWN物体の偵察に行って……



 そんで、撃沈されたんだよ。



 機体も、アイツ本人も、まだ見つかってない。」






 まってくれ。





 そんなこと、信じられない。

 いや、理解することが出来ない。



 機体?

 アンノーン?


 行方、不明……?



 何を、言っている?





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