†...Daybreaker...†
□「はじまり」の始まった日
1ページ/1ページ
助けられなかった。
そのたった一つの事象が胸を締め付ける。
助けられるだけの力があったのに……自分には、助けられなかった。
―――救えなかった。
仲間の涙を止める術さえ分からなかった。
無事目覚めることを祈ることが出来ない。
生きて再会することを、願うことさえ叶わない。
祈るものをもたない……持つことのできない自分がここに居て。
己の無力さに、不甲斐なさに、眩暈がする。
あとほんの少しでいい、力が、欲しかった。
だけど、それは見果てぬ夢だということも分かってしまって。
だから、自分に出来ることは全てしたいと思った。
自分が何とかしないといけなかった。
無力でも、何かできるはずだから。
決して万能ではないけれど、曲がりなりにも――
―――『神』たる資格を、有する者として。
.