†...Pigeon Blood...†
□廻りあった要
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朝。
独房の中で身支度を整えていると、コンコンと二回、控えめに扉がノックされた。
「シロウ、いいかしら?」
「ああ、大丈夫だ。」
首にドッグタグをかけるのとほぼ同時に、その声の主は鍵を開け、中に入ってきた。
そして、マジマジとシロウの服装を見ると、うん、と満足気に頷く。
「なかなか似合ってるじゃない。」
「ありがとう。」
着替えとして渡された服を身に纏った彼に、ナイアは歩み寄り襟元を正す。
驚いて固まっていると、その様子に気付いたらしい彼女はくすりと笑った。
「ごめんごめん、私、こういう性分なのよ。」
姉御肌ってやつ? と笑ってべしん、とシロウの頭を叩いた。
予想以上に威力があり、前につんのめる。
「さって、行くわよ。」
「? どこにだ?」
「貴方の所属が決まったのよ。」
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