捧げ物部屋

□【Destiny...?】
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「―――りか? エリカこんなとこで寝ちゃ駄目だって!」

「―――っ!?」



 はっとして顔を上げれば、そこは見慣れたゲーセン。

 どうやら順番待ちの途中でつい眠ってしまったらしかった。



 机に突っ伏して眠っていたせいで固まってしまった身体を解そうと、ぐい、と伸びをする。



「おはよ……セリカ……」

「も〜、おはよじゃないよ!」



 段々と意識が覚醒してきた。




 ここ連日続いた、アルバイトの掛け持ち。

 ほとんど休みなく働いて、ようやく取れた休みだ。

 セリカを誘い、ゲーセンへと来て……。




「……あの二人の勝負、終わった?」

「さっき終わったよ。
 ほら、そこで士朗燃え尽きてる。」

「こりないなぁ……」




 少し離れたところで、ユーズにからかわれながら燃え尽きている士朗。

 その彼氏の姿に、エリカはくすっと笑った。




 敵わないと知りながら、ユーズに挑み続ける姿。

 その姿は、とても愛しく、愛らしく、そして、とても素敵だと思う。

 負けて悔しがって、でも又挑戦して。

 その諦めの悪さは、今ではこのゲーセンの名物と化していて。


 もしかしたら、そんな侍チックな所に惹かれたのかな、と思ったりもして。



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