beatmania UDX

□【リセットボタン】
2ページ/6ページ

2月4日


〜2回目〜


「エリカ〜。」
「あ、士朗。」
 ちょうどデラのファイナルステージを終わらせたタイミングで、士朗が後ろから声をかけて来た。
「今日、付き合ってくれないか?」
 行きたいところがある、と言われ、エリカは少し悩む。
 今日は、セリカと買い物に行く約束があったのだ。
「え? ……ん〜……」


  「今日は用事があるから……」
 >「ん〜……いいよ。」


「おっけ〜。セリカには行けなくなった、って言えば良いし☆」
「え、それ良いのか?」
 士朗が申し訳なさそうに言い、それに対してエリカは笑った。
「うん。セリカ、『何に変えても士朗と遊びなさ〜い!』な〜んてこの前言ってたのよ? ブッキングしたらこっち優先!」
「あ、そうなの……」
 心持赤くなっている頬をかきながら、士朗ははにかんだ。
 どうやら、士朗はセリカの心意気がうれしかったらしい。

「で、今日はどこに行くの?」
「あ〜、服買いに行きたいんだよ。選んでくれないか?」
「うん! あ、そうだ」


 >ちょっとコンビニ寄って良い?
  ちょっと郵便局寄っても良い?
  皆も呼ばない?


「ちょっとコンビニ寄っても良いかな。ALTでお金おろして来たいから……」
「良いよ、俺も何か買っていこうかな……」
 快く承諾してくれたらしい。
 寒いから、二人で手を繋ぎながらコンビニに向かう。
 と、空からはらはらと雪が降りてきて。
 綺麗だね、なんて言いながら二人並んで歩いて。
 なのに。

「―――っ エリカ!」
「きゃっ」




キキーッ



ドンッ



 赤い、赤い、赤い。
 道路が赤く染まり、銀色の髪がその中に揺蕩う。
 車からスーツ姿のサラリーマンが慌てて飛び出してきて。
 ざわざわと、ギャラリーが集まってきて。

 士朗は、自動車に轢かれて、死んだ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ