beatmania UDX

□【PV撮影へGO!!】
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「それで、俺たちにも出ろ、と?」

 思いっきり不機嫌に士朗がユーズを座った目で見る。
 その冷たい空気にずざっと周囲に居た数人のDJ仲間が退いた。
 本気で、怖い。

 が、そんなのにもめげずにユーズはあっけらかんと「そうや」とのたまった。

「おもろそうやないか。一生のうちにそう何度もある機会や無いで?」
「それはそうだろうが、俺は出ないからな。」
「そないなこといいなさんな。双神威で主役決定しとるんやから。」

 サラッと言われ、一瞬士朗は動きを止め……
 慧靂と二人揃って声を上げた。





「「主役!?」」





「そうや。これ見てくれへん?」

 PVを作るにあたり、前もって曲は聞かせていた。
 ユーズはその曲の歌詞を打ち出して来たらしい。

「ここれやこれ。双神威の方の、『冷えた手のひら握って』いうところ。」
「……銀髪の戦士、岩に座り手のひらを見つめる……?」
「せや。ちょうどええやろ、士朗。」
「それだけかよっ!」

 ただし、アップになる。
 ようするに、戦士=剣士である、という単純な連想ゲームによって士朗に白羽の矢が立った、というわけだ。

「これ決定事項やからそこらへんよろしゅう頼んます。」
「ちょっと待てっだから俺はやらないって……っ」
「士朗、ちょっといいか?」

 と、セムに肩を叩かれ、少し離れたところに連行される。
 ぼそぼそ、と何事かを囁かれ、しばらくの沈黙の後。

「………わかった……やればいいんだろう、やればっ!」
 半ばヤケクソになって叫ぶ。

「よう言った士朗! ほな、さっそく自分ら配役決めるで〜。」
「拒否権は?」
「あるわけないやろ。」

 さらり。
 決定してから言われても、どうしようもないと思うのだが。

「くじ引きやくじ引き。ほれさっさと引かんかい☆」

 のりのりだ。
 ユーズはユーズで、くじに公平性を持たすつもりなのか最後に引くらしい。
 ちなみに、セムは衣装作りも頼まれたのに役者もしなくてはいけないそうだ。

 あわれ。






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