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□第二章 〜tosoro〜
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あの町を出て、グランス王国へ向かうために一番近い港町であるエルモサ・プエルトへと向かうために、四人は森の中を歩いていた。
本当なら街道を通っていきたかったのだが、山崩れがあったらしく、途中で街道が途切れていたのだ。
別段急ぐ旅でもなかったのだが、近くに宿も無く、ましてや街道のすぐ側で野宿するわけにも行かず、森の中を進む強行軍となったのである。
「にしても、なんで崩れたんだろうね。」
「さあ……この前の町への魔物襲撃といい、異常だな。」
と、話し合うミライとセゲルのすぐ横で、セツナがパストにせがまれ肩車をし……不意に、口を開いた。
「なあ。」
「ん?」
「何だ?」
が、言うのを躊躇うかのように少しの間、逡巡する。
しかし、三人が自分の言葉の続きを待っているのが分かり、もう一度、口を開く。
「この前、俺、分かる範囲で言うって……言ったよな。」
「あ、うん。」
魔物の襲撃で、話が途切れてしまったこと。
仲間を四人そろえたと、魔族に言われた、その理由だ。
「……まずは……そうだな、『守護天使』っていう過去の英雄達についてから話を始めようか。」
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