キリリク部屋
□【梟】 弐寺DoLL小説
1ページ/5ページ
どうして。
その言葉は、問いかける相手を持たぬまま、闇に消えた。
【 梟 】
重力が身体をきしませる。
ぎしぎしと自身の骨とDoLLが悲鳴を上げた。
『やめろツガルっ!!』
「うるさいっ」
信じていた。
信じて居たかった。
だけど
あなたは、敵だった。
「うあぁぁぁぁっ!」
私を泣かさないと。
一人にしないと。
約束した。
『ツガル――――ッ』
――――どすっ
あっけない音。
確かな手応え。
操縦桿から震える手を引き離す。
「どう、して……」
こぼれ落ちた言葉。
「どうして……避けない、のよ……」
目の前には。
剣の突き刺さった、ダルマの機体。
よぎったのは、最後に見た彼の微笑みだった。
.