キリリク部屋

□【梟】 弐寺DoLL小説
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 どうして。


 その言葉は、問いかける相手を持たぬまま、闇に消えた。




【 梟 】




 重力が身体をきしませる。
 ぎしぎしと自身の骨とDoLLが悲鳴を上げた。


『やめろツガルっ!!』
「うるさいっ」


 信じていた。
 信じて居たかった。
 だけど



 あなたは、敵だった。


「うあぁぁぁぁっ!」


 私を泣かさないと。
 一人にしないと。
 約束した。












『ツガル――――ッ』





――――どすっ











 あっけない音。
 確かな手応え。


 操縦桿から震える手を引き離す。

「どう、して……」

 こぼれ落ちた言葉。





「どうして……避けない、のよ……」





 目の前には。






 剣の突き刺さった、ダルマの機体。












 よぎったのは、最後に見た彼の微笑みだった。



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