□さよならは言わない
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「う゛・・・いお・・さまぁ・・・っ」

雲一つ無い澄み渡った夜空の下。

アリエッタは、野原の真ん中で、ライガの背中に顔をうずめて泣きじゃくっていた。

突然の導師守護役の解任。それは、彼女にとって、何より辛い出来事である。





「・・っく・・・ふぅ・・・・」
やっと、涙が引いてくれた。


ずっと泣いていたおかげで、少しは楽になってきたかも知れない。

まだまだ、辛さの方が大きいけれど。






随分赤く腫れ上がった瞳で、ゆっくりと辺りを見回す。

そこで、アリエッタはふと、足元に有る、小さな白い花の存在に気が付いた。

「・・・イオン様、みたい」

とても白くて。
儚いようで、しっかりしてる。



おもむろに、その花に触れようとした、その時―――

「あ・・・」



その花の花弁は、突然吹いた風に、一枚残らずさらわれて行ってしまった。




彼女のか細い指の間を、まるで名残惜しむかのように、そっと優しくかすりながら。













やがてその花びらたちは、遥か彼方へ、溶けるように消えて行った。





































END
























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