さなにおさな通常版:1  

□求めていたもの
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頭の中のどこかは常に冷静で、客観的に見ている存在に気付いていた。
どれだけ好きかわからせる手段として、言葉よりも手っ取り早いと思っていた。しかし、行為を重ねる度に虚しさも味わった。
辞めようとは言われないが積極的ではない姿に失望しかけた事もある。行きつくアテのない気持ちを持て余しながら関係を続けてきた。
かわいらしいフリをしながら淫らに腰を使う。下から見上げてくる目がいつもより荒々しく感じた。喉元に食らいつかれて息の根を止められそうな恐怖感。中に潜む狂暴な光に気付いて意識が跳びそうになった。
求めていたのはこれなのか…?
動きに合わせて身体を前に倒し、髪を乱暴に掴んで口づけた。言いようもなく充たされて恍惚となっていく。容赦なく挑みかかってくる相手に応え切れずに息を詰めた。
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