さなにおさな通常版:3

□雷雨
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突然の雷雨に部員達は我先にと雨避けのできる場所へと走り出す
レギュラーの面子も同様に走り出していたが、指示を出していた黒い帽子の男だけはその場に留まっていた。
天を睨む表情は険しいが心情まで読み取ることは叶わない
雲の隙間から陽光がさしていて夏のせいか冷たさは感じなかった
他の部員たちは屋内練習に切り替えて移動を開始していた

水を吸ったボールが鈍い音をたて、派手な水しぶきをあげる
怪訝そうな瞳に唇の端だけつりあげて返し、必殺技禁止なと告げて次のボールを高く放り上げた
シャワーのような雨の中でただボールだけを追いかける「遊び」に夢中になりすぎ、それぞれ参謀と紳士から仲良くお小言を喰らうのだった

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