年下のカレシ:

□004
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袖を通したシャツのサイズはいつもと違う感じがした。
ほのかに鼻をくすぐるのは目の前でけだるげにしている先輩の匂い。
意識しなければ他人のモノだとわからない位馴染んでしまった。
名前も知らない整髪料とシャンプーと汗の匂い
「やるよ。はよ、それくらい大きくなりんしゃい」
知らずに眉を寄せていたらしい。してやったりとばかり相手のくすくす笑いが大きくなる。
シャツを投げ付けたいのを我慢して相手の手にある自分のシャツに手を伸ばす。
その手を掴まれて引き寄せられ、バランスを崩して二人まとめて床に転がった。
「交換…な」
耳元で囁かれてぞわりと背筋が震えた。
衝動にかられ、らしくもなく後輩から近づいていった。

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