年下のカレシ:

□006
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窓から見える光景を最後まで見届ける事ができず、目をそらしてその場から逃げ出した。

呼び止められて振り向けば見た事のない女子が顔を真っ赤にして立っていた。
正確には他にもいたが、先を急いでいたし用件を促した。
それでも思ったより時間を取られて苛立ち、すげない態度になった。
相手は泣きだし周りはなじり益々気が重くなる。

昼休みはそれで終わった。

放課後。

普段より気の抜けた後輩の様子に気付かず、不用意な言葉を投げた。
一瞬驚いた顔になったが、小さく自嘲した笑みを浮かべてコートの整備に混じる姿に首をかしげた。

先に着替えていると同級生に混じって部室に入って来たので声をかけたが曖昧な返事しかせず
目を合わせる事もない。
下級生に囲まれている中に入るわけにもいかず舌打ちしてロッカーを荒々しく閉めた。

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