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□cage
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自分で選択をしているようであっても、結局は全てクロロの手の内にあること
cage
日の光を感じ、ハッと目が覚めた。
咄嗟にクロロを探す。
左右、上下見回した後、いつの間に寝てしまったのかと、記憶を巡らせる
隣に寝ていた形跡があるように見えて、シーツに手を這わせる
冷たい。
起き上がると、ベッドサイドにメモと携帯電話が置かれていたのに気付いた
“もう壊すな”
メモにはそう書かれていた。
力が抜けて、再びベッドに後ろから倒れこんだ
日の光がやけに虚しく感じて、窓から見える青空を睨んだ。
クロロは私との間に一線を引く
その距離は出会ったときから変わらないまま、この先もずっとこのままなのだろう
私がクロロから離れたかったのは、その距離感がつらかったからかもしれない
抱きしめてくれたかと思えば突き放して、離れると手を掴まれる
その繰り返し。
ずっと、ずっと。
*つづく*