好きです、よかったらこれもらってください! 「・・・よし、」 目を瞑って何度も何度も同じ言葉を繰り返した。 私は今日、世間の雰囲気を借りてずっと好きだった人に告白する。 片手には綺麗にラッピングした(つもり)のチョコレートもある。 添える言葉は直球勝負。それでいくって決めた。 そう、準備は万端なはずなのに。 「無理無理無理!心臓ばくばくしてる・・・っ!」 肝心の、私の心の準備が出来てない。 ここまで準備したのに?・・・・・それが恋するオトメってやつだ。 そしてその人が私の目の前にいるからますます心臓は煩くなる。 私が告白するって決めたらグレイの奴が調子乗って私とその人を二人っきりにしやがった。 心臓もたない。息も苦しい。・・・それでも一応お礼は言っとこう。一応。 「それで、僕に言いたいことって?」 「えと、その・・・」 グレイには感謝してる。・・・ロキと二人にしてくれたこと。 嬉しい。すごく嬉しい。けど緊張しすぎて吐きそう。 それに目の前でにこにこしてるロキは格好良過ぎてきゅんきゅんする。 ・・・やばい、息できない。 「あ、あのねロキ、その・・・」 「うん、」 声が震える。上手く喋れない。 それに、きっともうロキには私の気持ちバレてるんだろうな。 だけどロキは相変わらず「うん、どうしたの?」と優しく笑ってくれる。 ・・・だめだ格好良過ぎる。 「その、えっと、あの・・・。その、すすす、す、」 そんなこんなで私はまだ心の準備が出来てない。 あー私のばか!こんなんじゃロキに呆れられちゃう、 「・・・・・・・・・はあ」 ほらああああ!!やっぱ私しんじゃえばか。 ロキ呆れちゃったじゃん、なんだこの心臓うるさいうるさいうるさい! 「あの、ロキ・・・」 「本当は君から言わせたかったんだけど」 ロキは私のチョコレートを持っているほうの手の手首を掴んだ。 「・・・これ、僕にでしょ?」 「あ、う、」 彼の表情は、もうにこにこではなかった。・・・怒ってる、どうしよう。 「ロキ、あのね私ね、」 「・・・心の準備とかそんなのいいからさあ、」 怒ってるのかと思ったらその声色はいつものように穏やかだった。 「思ってること、そのまま言ってみてよ」 覚悟はまだいらない 好きです、よかったらこのどきどきも一緒にもらってください! ------ 心に届けて、様提出。 渡すときのどきどきしてる感じが出せてればいいなあと思います。 ありがとうございました! |