贈られた幸せな物語
□love
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「Zzz…」
始まってから約30分経った頃、ルークはどうしようもない睡魔と戦った末、見事に破れ爆睡。
今は幸せそうに眠っている。
その一方でティアは、かなり真剣に観ていた。
隣には大好きなルークがいるが、そのことを忘れそうになるほど。
いまは、一番感動すると言われているシーンの手前。
「…っ……、……っっ」
すでにティアは頑張って涙を堪えていた。
今まで見た人で泣かなかった人は5%に満たないという。
「…Zzzzz…」
ルークのように、寝てる人は例外だけど。
未だに気持ち良さそうに寝てるルークをチラッと見てから、
(―…まだ眠っていてね、ルーク…)
そう、小さく心の中で呟くと、
最愛の人が亡くなってしまうシーンで、もう堪えきれなくなっていた涙を静かにこぼした。
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