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□第一話 『再会の夜』
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「よろしかったの?あなたもルークの成人の儀に呼ばれていたのでしょう?」

「ルークのお墓の前で行われる儀式に興味がないもの・・・・」


ティアはうつむく。


「二人とも、そう思ったからここにきたんでしょ?」
アニスはそう言った。


「あいつは戻ってくるって言ったんだ。墓前に語りかけるなんてお断りってことさ」
ガイの言葉に皆、頷く。「そろそろ帰りましょう。夜の渓谷は危険です。」

ティアは岩から降りる。

4人は後ろを向く。ティアもセレニアの花を見て後ろを振り帰ろうとした。すると…

サク、サクと足音が。

ティアは音がするほうを向くとその先には黒い影。
赤い髪、見覚えのある姿。
ティアが前を歩き出す。
「…どうして、ここに…?」



「ここからならホドを見渡せる……それに…約束したからな…」

ティアの頬に涙が流れた…
そして彼のもと駆け寄った。



ティアは彼の肩に顔を寄せ、抑えていた感情が溢れ出した…。


仲間たちもティアのあとを追い、彼のもとへと歩き出した。
しかし、ジェイドは彼のもとへ行かなかった…
ジェイドは彼を見て、確信をした。そして悲しい顔で彼を見つめていた…
「心配をかけたな…」

「そんな事ないわ…あなたは約束を守って帰ってきてくれた……私はそれだけで嬉しいわ。」

「ティアに話しておきたい事がある…」
「何?」


「やっぱり今はやめておくよ。落ち着いた時に話すよ…。」

ティアはうなずいた


ルークは先に歩いて行った。その後に仲間がついてくように歩いて行った
「ルーク!」ジェイドが呼ぶ。

大佐の方に振り向く。

「あなたの体が健康かどうか心配です。あなたはベルケントで診断を受けた方がいいでしょう。」
「分かった。」

「ティア!」

「はぁっはい!何ですか大佐?」

「あなたはルークに付き添ってあげてください。
私はグランコクマに戻り、陛下にこの事を知らせてからベルケントに向かいます。それまでよろしく頼みましたよ!」


「分かりました。」

するとガイが…
「俺たちもこの事を伝えないといけないから、後でベルケントに向かう。」


(みんな、私に気をつかってくれているのね。
みんなありがとう…。)
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