長編小説(家族)
□桜の木の下で
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「よしよし。ごめんね、寂しい思いさせて」
抱き着いてきた子供達をぎゅっと抱きしめて順番に頭を優しく撫でていく綱吉。
綱吉の腕の中にいる子供達はとても嬉しそうに微笑んだり笑顔だったりしていた。
「「「「お母さん(ママ)大好きっ!!!!」」」」
「…………俺も大好き、ううん愛してるよ。恭綱、弥綱、金糸雀、朱雀」
腕の中で、子供達は笑顔で綱吉を見上げて言うと、綱吉も優しく微笑みとても愛おしそうに言った。
そんな綱吉達の様子を紅茶を入れて執務室に戻って来ていた隼人が微笑んで見ている。
「…全く、そんなに嬉しそうな顔をして。少し妬けるな」
突然聞こえた声に、綱吉と子供達と隼人は扉に顔を向ける。
そこには開け放たれていた扉に背を預けて立って腕を組む恭弥の姿が。
「「「「お父さん(パパ)!!!!」」」」
「恭弥、お疲れ様」
「ありがとう綱吉」
微笑みながら執務室に入って来て、綱吉達の前に来ると順番に子供達の頬に、綱吉の唇に軽くキスをする。
「てめぇ〜雲雀!!10代目と弥綱様達の時間を邪魔するんじゃねぇよ!!」
幸せな雰囲気を打ち砕く隼人の怒鳴り声に恭弥は顔をしかめる。
「煩いよ、獄寺隼人。君こそ僕達家族の邪魔しないでよ。てか出て行け」
「そんな訳にいくか!!今日の護衛は俺なんだよ!!」
いつものように始まった口喧嘩に溜息をついた綱吉。
「も〜すぐ喧嘩するんだから…こうなったら暫くは止まらないからな…恭綱、弥綱、金糸雀、朱雀お母さんとソファでお菓子食べようか」
「…ママ、止めなくていいの?」
金糸雀が綱吉似の大きな瞳で綱吉を上目使いで見ながら問い掛ける。
綱吉は苦笑しながら良いよって答えて子供達と手を繋ぎながらソファに向かう。
ソファに座ると、膝に甘えん坊の金糸雀と弥綱を乗せ両脇に朱雀と恭綱を座らせる。
机には隼人の気配りで子供達と綱吉の分のケーキが置かれていた。
「戴きますしてから食べようね」
「「「「はーい(うん)!!!!いただきます!!!!」」」」