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□何も鳴らない
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「君は、ウルサイからすぐ分かる」
「ウルサイ?」
「そう」
山本は雲雀の言葉に首を傾げた。応接室の扉の前で息を潜めていただけであって、別にうるさくした覚えはない。物音も立てないようにと気を付けた。ひとつ、消せて無かったモノを挙げるのなら、人の気配。
「君がね近くに来ると…鳴るんだよ。ウルサイぐらいに。すごく迷惑」
雲雀は山本から視線を外しながら言った。自分自身の胸元の布をギュっと片手で握り締めて。
「雲雀…」
「ココ、が。鳴るんだ」
「雲雀」