+ gintoki × hijikata +
□「恋しいよ?」
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銀時は優しく触れるようなキスを顔の至るところへしてくれた。
それが少しくすぐったくて体がフルリと震える。
「どこも怪我してない?」
心配そうに聞いてくる銀時に、土方が無言で頷く。
その声色と真っ直ぐ向けられる優しい瞳にトクンと胸が高鳴る。
たった2週間、銀時に会えないだけでこんなにも自分が崩れてしまうなんて思いもしなかった。
いつもなら2週間なんてあっという間に過ぎてしまう感覚なのに、銀時に会えないだけで、とてつもなく長く感じた。
久々の銀時の体温と匂いに包まれて安心しきった体を銀時の体に摺り寄せる。
そんな土方の髪を梳きながら、銀時はまだ心配してくれているようで…
「疲れてない?布団で休む?」
そう優しく聞いてくれる銀時の肩に額をこすりつけながら、首を横に振る。
「…やだ。…2週間もキス、してない。…銀、っ」
求めるように銀時の名前を呼べば、少し荒っぽいキスで唇を塞がれた。
それでも会えなかった時間を考えると、まだ足りなくて…
もっと、と伝わるように銀時の首に腕を回すと、ギュッと抱きしめられより深い口づけをしてくれた。
唇を離すと、二人の唾液で濡れ光った銀時の唇に目がいき、体が熱くなる。
土方がその唇をペロリと舐めると、銀時は驚いたように目をパチクリさせ、ついでニヤリと笑みを浮かべた。
「そんなに銀さんが恋しかった?」
土方が素直にコクリと頷くと、銀時は嬉しそうに次々質問してくる。
そのつど、土方はコクンコクンを首を縦に必死に振った。
「隊服のまんま急いで来ちゃうくらい?」
「来てそうそう、挨拶する余裕もなかったもんね?」
「…もっとキスしたい?」
当たり前だ。なんて思いながらカーっと顔を赤らめ、銀時の服をギュッと握りしめた。
そんな土方を見て、銀時は楽しそうにクスクス笑っている。
「そうかそうか。そんなに可愛くおねだりされちゃったら、いっぱいキスしてあげないとね。」
「…エロおやじ。」
「ちょっ、散々誘っておいてその言い草ひどくない?!てか十四郎の方がエロいからね。」
そう言い終わると同時に、腕を引っ張られ、気づけばソファーに押し倒されて銀時が覆いかぶさっていた。
「…俺も、十四郎が恋しくて仕方なかったよ。」
そして軽いキスを唇にくれた。
その一言だけで、安心感と喜びが胸に広がり、優しいキスにトキメク。
「つーわけで、今日はいーっぱい栄養補給させてもらいます。」
ニッと笑う銀時に、こちらも自然と笑みをこぼしていた。
「ばーか。それはこっちのセリフだ。」
土方は銀時の首に右腕をまわし、身を乗り出すようにして唇を重ねた。
end
→あとがき