+ gintoki × hijikata +

□「雪解けの季節」
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*一万打企画小説*

※ゲーム風に選択肢を選んでお話を進めて言って下さい^^*


***



「雪解けの季節」





天気のいい昼下がり。
よく晴れた空から降り注ぐ、心地の良い太陽の日差し。
時折吹く風はまだ少し冷たいが、だいぶ寒さが和らいできた今日この頃。

土方は巡回のルートを歩きながら空を見上げていた。


こんな日は、銀とどっか出かけてェな…

…その前に。


「総悟ォォ!!!!アイツどこ行きやがったァァァ!!!!」


一緒に巡回していたはずの総悟は例のごとく、土方に仕事を押し付けどこかでサボリを決め込んでいた。
総悟のサボリは、放っておけばいつまででもサボリ続けるため質が悪い。
とっとと見つけてジャスタウェイの一つでも喰らわしてやる。

そう意気込んで総悟のサボリそうな場所を探し、大通りより少し逸れた道をズカズカと歩いていると、微かに誰かに呼ばれたような気がした。


?…気の、せいか?


振り返ったが誰もおらず、土方は首を傾げながらまた前進を始める。


「十四郎」


今度ははっきり聞こえた。
そう思い振り返るが、やっぱり誰もいない。


…いや、まさか。
真昼間っから…出るわけないよな?ゆ、ゆ、幽霊なんているわけ―…


「十四郎。上、上。」

「…!!!!!」


その声にビックリし、咄嗟に上を見上げれば、民家のベランダから顔を出した銀時がいた。
驚きで口をパクパクさせる土方を見た銀時は、不思議そうに首を傾げている。


「あれ…?なんか凄い怖がってない?俺なんか悪いことした?」

「い……いるなら普通に声かけろやァァァ!!!」

「いや普通に声掛けたじゃんっ!!!何だと思ったんだよ?!」

「……。」

「…ちょっと待ってて。すぐ下に降りるから。」


銀時はそう言うと、本当にすぐに下りてきて、立ち尽くす土方の顔を覗き込んだ。
そして綺麗な長い指が、俯いた土方の前髪をそっと梳いた。


「どうしたの?銀さんの声にそんなに驚いた?…もしかして、“幽霊”とか思ったりちゃったり―…」

「ち、…違うっ!!別に怖がってなんか―…」


…恥ずかしい。
自分で言いながら、どんどん耳が熱くなっていくのがわかる。
きっと銀時にも真っ赤な耳は見えてしまってる…
そう考えたらますます恥ずかしくなって顔を伏せてしまい、まともに銀時の顔なんて見れなくなっていた。

不意に頭に大きな手が乗っかり、優しくポンポンと撫でてくれた。
それに少し安心して顔を上げると、緩んだ口元を片手で隠しながら頬を染める銀時が目に飛び込んできた。


「…何笑ってんだよ。バカにしてんのかコノヤロー」

「…いや、そうじゃなくて。怯える十四郎が……可愛すぎる。」


その言葉にボッと顔を赤くする土方を余所に、銀時は土方に抱きついた。


「フルフル震えてるし、耳まで真っ赤っかにして…トドメに潤んだ瞳で上目遣いっ!!可愛すぎるんですけど!」


ますます顔を真っ赤にして縮こまってしまった土方に追い打ちをかけるかのように、銀時は耳元で小さく囁いた。


「ねぇ…キス、しよ?」


「!!…バ、バカ言うな!こんなところで…人が来たら―…?!」


土方が言い終える前にグイッと腕を引かれ、連れて行かれたのは民家と民家の狭い隙間。
暗がりの中、微かに聞こえる大通りのざわめきがやけに耳についた。


「ここならバレないよ?」

「…そりゃ、そうだが―…」


すぐには見つからずとも、人が通ればバレてしまいそうな、なんとも言えない緊張感が居心地を悪くした。
不安そうに銀時の方をみれば、物欲しそうに自分を見つめる瞳と目が合う。


…ずりぃ。
そんな顔されたら、キス…したくっちまうじゃねぇか。


土方は銀時の羽織の袖を引っ張ると、ボスッと銀時の胸に顔を埋めた。


「…するなら早くしろ。ここ、居心地悪ぃ。」

「うん。…十四郎、顔上げて?」


ゆっくり顔を上げると優しく触れてくる唇。
徐々に深くなっていく口づけに二人とも夢中になっていく。

さっきまで居心地が悪かったはずの空間は、いつの間にか愛おしいものとなっていた。


…銀と二人っきり。
すぐ外の奴らは知らないんだろうな…
俺たちがこんな場所で、こんなことしてるなんて。
こんな色っぽい銀時がいるなんて。

…俺だけが知る、銀時。
そう考えたら案外こんな場所も悪くない。


ゆっくり離れた唇。
先ほどのキスの余韻がまだ残り、ボーッとする意識を覚まさせたのは、携帯の呼び出し音。

ハッとしてポケットから携帯を取り出すと、ディスプレイには『近藤さん』という表示が出ていた。
そう言えば、総悟を探す前に近藤さんに電話してたんだっけ。


「仕事の電話?」

「あぁ、ちょっとワリィ。」


銀時から少し身体を離し、携帯の通話ボタンを押す。
総悟がまだ見つかっていないことを伝えて、要件を聞く。
どうやら急ぎの用が入ったらしく、早く屯所に帰ってきてほしい、ということだった。

土方は通話ボタンを切ると小さくため息をついた。
仕事が増えたことにではなく、銀時と過ごす時間を邪魔されたことへのため息。
近藤さんが悪いわけじゃないけど…タイミングが悪かった。


「銀、俺―…」

「仕事に戻んないといけないんでしょ?ごめんね。引きとめちゃって。」


少し寂しそうに笑う銀時に、胸がギュッと締め付けられる。


俺だって本当はもっと銀と一緒にいたいのに…



※土方はどうする?※

引き止める
引き止めず仕事に戻る




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