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「君のとなり」





土方十四郎。
高校最後の年、3年生になりました。

が、非常に納得できないことがあります。

それは…


「はい。今日から君たちは3年Z組の生徒だ。俺は担任の坂田金時、よろしく。以上。」


「…先生、質問して悪いんですが、『Z』ってクラス、この高校にありましたか?」


土方が教壇に立つ人物に挙手して問いかければ、金色の髪をガシガシ掻き、ギロリと睨まれた。


「ウルセー、悪いと思ってんなら質問するな。流せ。ったく、ただでさえ説明、面倒くせーんだから。」

「おいィィ!センコーのくせに面倒くせーとか言うなァァ!!ちゃんと説明しろ!」


土方が怒りにまかせ机を叩くと、左斜め前から同じように抗議の声を上げる生徒がいた。
メガネがトレードマーク…いや、メガネ無しではその存在は語れないといえるだろうとすら言える、志村新八だ。
去年、同じクラスだった。


「そうですよ。今年になっていきなり『Z』組って、なんかおかしいですって。」

「そうアル。なんか今年のクラス、変な奴が多いネ。」

「おーい、そこのチャイナ娘―。お前もその変な奴にキッチリ入ってっから。先生を困らせる生徒の一人だから。」


新八に続き、神楽も抗議の声を上げる。
それを皮切りに、口々に文句を言いだす生徒たち。

その中でひときわ間延びした声を上げたのは、坂田銀時だった。


「でー?結局、『Z』組ってなんなの?」


その言葉に生徒が一斉に金時を見る。


「…はぁ、仕方ねェ、説明するか。」


金時はパイプ椅子にドカッと座ると、一息入れて話し出した。


「まー、ぶっちゃけた話。お前らの学年は問題児が多いわけよ。
そこでだ。他生徒の受験勉強に支障が出ないよう、問題児を一つのクラスにまとめたら良くね?ってな感じで『Z』組が作られました。OK?」

「はァァアア?!!」


クラスの全員が怒りと不満を含んだ声で驚く。


「ちょっ、何?その理由。無茶苦茶過ぎますよォォ!!」


…新八の言う通りだ。
俺らの受験はどうなる?…てか。


「先生…俺は成績も授業態度も問題無かったと思うんですが?」

「うん。だからー土方みたいな成績優秀な生徒が少しはいないと、こいつら、終わりじゃん?」

「そんな理由かい!センコーが生徒に頼るなァァ!!」


またもやキレる土方に、右隣の席の銀時が頭をポンポンと叩いて落ち着かせようとする。


「まぁまぁ、落ち着けって土方。俺と一緒のクラスになれたからいいじゃん。な?」

「良くねぇよ!!」

「旦那、違いまさァ。土方さんは俺と一緒のクラスになれて嬉しいですぜ?」

「って、それも違う!!」



ガァァン!!!



言い合いをしているさなか、モノ凄い音と元に机が吹っ飛ばされた。
長谷川の机に見事な蹴りを入れたのは不良生徒、高杉晋助だ。


「ギャーギャーうるせぇんだよ。さっさと終わらせろ。」

「え。ちょっ、何で俺の机―…何でもないです。すいません。」

「アハハッ、高杉はおてんばじゃのー。」


その横で高杉に笑いながら声をかけるのは坂本辰馬。
…高杉に襟元を掴まれてメンチ切られてます。


「あーもう、疲れたからこれでHR終了な。強制終了。じゃー解散。」


金時はそう言うと、さっさと教室を後にした。

残された生徒はというと、自己紹介をしたり、口喧嘩をしたり、殴られてたり。
それぞれ好き勝手なことをしていた。






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